屋根カバー工法とはどんな工事?工法の特徴とメリット・デメリットを解説します!
投稿日:2023年5月31日 更新日:2023年5月31日
「屋根のメンテナンスはどうすればいいの?」
このような疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか?
屋根は風雨や太陽光など過酷な環境にさらされており、非常にダメージを負いやすい場所です。定期的にメンテナンスをしないと、最悪は雨漏りを引き起こしてしまいますので、状態には注意しなければいけません。
屋根のメンテナンスは「塗装」「葺き替え」「カバー工法」「棟板金工事」などがあり、状態に応じて適切な方法で修理していく必要があります。
そして、20年目以降は屋根防水の要であるルーフィングの寿命が近づいているため、「葺き替え」か「カバー工法」をご検討していただくことになります。現在は、コストを抑えられる「カバー工法」で工事される方も多くいらっしゃいます。
そこで本日は「屋根カバー工法とはどんな工事か」「カバー工法のメリット・デメリット」についてお伝えしていきたいと思います!
【屋根カバー工法とは?】
屋根カバー工法は、現在だと戸建住宅の屋根によく採用される屋根リフォーム工事です。屋根カバー工法の特徴は、「葺き替え工事」よりもコストを抑えられて、大きな負担を抱えずに屋根を新しくできます。
どんな工事かというと、「屋根カバー工法」は現在の屋根の上に新しい屋根を被せる工法。
まさに古くなった屋根にカバーするような工法なのです。
この方法がどんなメリットが働くかというと、「葺き替え」よりもコストを抑えられることです。
コストを抑えられる理由は、解体が最小限で済み(解体するのは棟板金や雪止めなど屋根を葺くときに干渉する部材のみ)、工事に出る廃材も少ないからです。
屋根工事というと大変なイメージがありましたが、カバー工法が登場したことにより、屋根工事はぐっとハードルが低くなったような気がします。屋根カバー工法はルーフィングや屋根材が新しくなりますので、耐久性や防水性を向上させ、屋根の寿命を延ばすことができます。
【屋根カバー工法のメリット・デメリット】
【屋根カバー工法のメリット】
それでは「屋根カバー工法」のメリットを見てみましょう。
【屋根カバー工法のメリット】
・コストを抑えて屋根を新しくできる
・葺き替えよりも工期が短い
・断熱性と遮音性が上がる
「屋根カバー工法」の最大のメリットといえば、葺き替えよりも安い費用で屋根を新しくできることです。
屋根は風雨や太陽光などから私達の生活を守る大事な構造体です。メンテナンスが必要だとしても、葺き替え工事は足場を組み、屋根の解体がありますから、大掛かりな工事です。また、アスベストを含有する屋根材なら廃材の処分費用もかなり高額になります。
「屋根カバー工法」は解体はありますが、葺き替えよりも規模は小さく、棟板金や雪止めなど屋根を葺くときに干渉する部材のみ解体します。廃材も少ないですから、処分費も安いです。施工工程は「カバー工法」の方が少ないので、工期は7〜10日と短いです。
「屋根カバー工法」は屋根が二重になりますので、断熱性、遮音性も上がります。「カバー工法」に採用される金属屋根は断熱材付きのものが一般的ですので、屋根材自体が防音、断熱効果があります。
屋根材の種類はこちらの「屋根材の種類と特徴を解説!各屋根材の比較と屋根材の選び方もご紹介!」をご覧ください。
【屋根カバー工法のデメリット】
それでは次に「屋根カバー工法」のデメリットです。
これから「屋根カバー工法」をお考えの方は、メリットだけでなく、デメリットもしっかりチェックすることが大切です。
【屋根カバー工法のデメリット】
・屋根が重くなる
・下地がどうなっているかわからない
・元々の屋根で雨漏りすると修理が困難
・選択できる屋根材に制限がある
・施工できる屋根に制限がある
「屋根カバー工法」で気をつけなければいけないのが「屋根重量」と「屋根の現状」です。
まず、「屋根重量」ですが、「カバー工法」は現在の屋根が残るため、施工後は屋根が重くなります。
屋根が重くなるとどんな弊害がでるかというと、地震が起きたときに施工前よりも揺れが大きくなってしまう恐れがあるということです。
屋根が重くなれば、建物の重心は高くなりますので、地震の揺れ幅が大きくなります。「カバー工法」を採用する場合は、耐震性がしっかり保たれていることが重要なため、そもそも施工可能か強度を考えて計画する必要があります。
次に「屋根の現状」です。
「屋根カバー工法」は現在の屋根を残すため、劣化が激しい場合は後々不具合を起こすリスクが高く、カバー工法で行うのは適していません。
とくに注意しなければいけないのが雨漏りです。
もし、施工後に元々の屋根から雨漏りしたら、せっかく新しく作った屋根を解体しないかぎりは雨漏りを直すことができません。
「屋根カバー工法」のデメリットにもある通り、施工のときに下地の状態を確認できませんので、傷みが激しい場合は、安全策をとって「葺き替え工事」をおすすめします。
屋根工事のメンテナンススケジュールについてはこちらの「屋根の劣化を放置するとどうなる?メンテナススケジュールも解説」をご覧ください。
【こんな方に屋根カバー工法はおすすめ!】
ここまで「屋根カバー工法」についてお伝えしてきました。
「屋根カバー工法」は「葺き替え」よりもコストを抑えて屋根を新しくできます。
「できるだけ費用を抑えたい方」
「建て替えや引っ越しの予定があり、そこまで長く保たせる必要がない方」
このような方に「屋根カバー工法」はおすすめです。
ただし、「屋根カバー工法」は上述したとおり、劣化が激しい屋根には適していません。また、瓦屋根など重い屋根には施工できませんのでご注意ください。
「屋根カバー工法」の施工条件をクリアした建物ならとてもおすすめできる屋根リフォーム方法ですので、屋根が古くなってきていたり、20年以上経過した屋根にお住みの方は、ぜひ「屋根カバー工法」も選択肢の一つとしてご検討してみてください。
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