コーキング工法「打ち替え」と「増し打ち」の違いと使い分け方

投稿日:2024年1月18日  更新日:2024年1月18日

屋根塗装や外壁塗装と同じくらい重要なメンテナンス工事が「コーキング工事」。

コーキング工事は建物の機能性を保ち、長持ちさせるために欠かせません。

 

コーキングの工法は「打ち替え」と「増し打ち」の2つの工法があり、施工状況に応じて使い分けます。

ただし、ここで注意点があります。

 

施工状況に適さない工法で工事されているケースも実はあります。

コーキングが打設されているところは、雨漏りのリスクにも直結してきますので、ぜひコーキング工法のポイントを押さえておきましょう!

 

本記事では、コーキング工法の「打ち替え」と増し打ち」の違いなどを解説いたします。

 

【コーキング工事とは?】

コーキング工法「打ち替え」と「増し打ち」の違いと使い分け方

コーキングとは樹脂を原料とする防水充填材。

ホームセンターでも手軽に購入できる身近なものです。

 

コーキングの役目は、水の侵入を防ぎ建物を守ること

近年の住宅では気密性も重視され、コーキングがその役割を担っています。

 

一般的なコーキングの耐用年数は10年前後

劣化してくるとひび割れや破断、剥がれ、縮みなどの症状が現れてくるので、定期的に新しく打ち直す必要があります

 

コーキング工事についてはこちらの「コーキング工事はお済みですか?ぜひ外壁塗装とご一緒に!」もご参考にしてください。

 

【コーキング工事は「打ち替え」と「増し打ち」の2つ工法がある】

それでは、次にコーキングの工法について解説いたします。

コーキングの工法は「打ち替え」と「増し打ち」の2つの工法があります。

それぞれ何が違うのか見ていきましょう。

 

【打ち替えのメリット・デメリット】

コーキング工法「打ち替え」と「増し打ち」の違いと使い分け方

【メリット】 【デメリット】

・安定した耐久性

・コーキング厚を確保できる

・撤去する手間がある

・コーキング量が多く、コストが掛かる

「打ち替え」は既存コーキングを撤去して、新しいコーキングを充填する工法のこと。

充填深さを確保でき、仕様通りの厚みでコーキングを打設できるため、耐久性も安定しています。

コーキング工事は、基本的に「打ち替え」で行うのが望ましいです。

 

【増し打ちのメリット・デメリット】

コーキング工法「打ち替え」と「増し打ち」の違いと使い分け方

【メリット】 【デメリット】

・コーキング量が減り、コストが安価

・窓など水の侵入リスクが高いところに適している

・撤去がない分、手間が少ない

・耐久性が低くなる

・厚みを確保するのに工夫が必要

「増し打ち」は既存コーキングを残して、その上に新しいコーキングを充填する工法のこと。

窓など水が侵入するリスクがある場所や撤去時に防水紙を傷つけてしまうリスクがある場所に適して工法です。

難点はコーキング厚が薄くなる可能性があること。

 

コーキングを新しくすることで最も重視されなければならないのが、機能を改善することです。

いくら手間が少なく、コストを抑えられるからといって、期待する性能が発揮されなければメンテナンスをする意味がありません。

ですから、しっかりと施工状況に適した工法で施工されている必要があります

 

【「打ち替え」と「増し打ち」の施工方法】

コーキング工法「打ち替え」と「増し打ち」の違いと使い分け方

【打ち替え】 【増し打ち】

1:既存コーキング撤去

2:打設部の清掃

3:マスキングテープ養生

4:プライマー下塗り

5:コーキング充填

6:ヘラ表面均し

7:養生剥がし

8:打ち替え完了

1:既存コーキング剥がし(できる範囲のみ)

2:打設部の清掃

3:マスキングテープ養生

4:プライマー下塗り

5:コーキング充填

6:ヘラ表面均し

7:養生剥がし

8:増し打ち完了

施工方法の違いは「既存コーキングを完全に撤去するか」「既存コーキングを残すか」です。

増し打ちでも表面の劣化した部分はできる範囲で撤去します。

 

コーキングは時間が経つと硬化してきますので、きれいに仕上げるために手際よく施工することが大事です。

途中で硬化すると見栄えが悪くなるだけでなく、隙間ができる可能性があります。

ちょっとした隙間でも水は中に入ってきてしまうため、密閉性を保てるように施工を行うことが重要です。

 

【「打ち替え」と「増し打ち」の使い分け方】

前述しましたが、コーキング工事は基本的に「打ち替え」で行うのが望ましいです。

たし、それではなぜ工法が2つあるのか疑問ですよね。

 

すべてのところに「打ち替え」が適しているというわけではなく、施工状況に応じて工法を使い分けることが大切です。

 

【打ち替えが適しているところ】 【増し打ちが適しているところ】

・サイディングやALCなどの目地

・コーキングを完全に撤去でき、防水紙を傷つける心配がないところ

・部材の接合部

・隙間ができているところ

・窓や玄関などの開口部

・入隅

・防水紙を傷つけるリスクがあるところ

・水の侵入リスクがあるところ

・カッターの歯が入らないところ

コーキング工法「打ち替え」と「増し打ち」の違いと使い分け方

増し打ちの場合、「水が入りやすいところ」「カッターの歯が入りにくいところ」「入隅」などのところで用います。

無理に打ち替えで行ってしまうと、かえって雨漏りのリスクを高めることになってしまうので、施工状況に応じて適切に工法を使い分けることが大切です。

 

コーキング工事についてはこちらの「下地調整の重要なポイント コーキング処理・ひび割れ、クラック補修(外壁)・釘頭と下地強度の確認(トタン)」もご参考にしてください。

 

【コーキング工事を行う時に気をつけたいポイント】

コーキング工法「打ち替え」と「増し打ち」の違いと使い分け方

このようにコーキングの工法は「打ち替え」と「増し打ち」の2つの工法があります。

施工状況に適した工法で工事が行われていることが大事なため、どの工法で施工するのかは把握しておく必要があるでしょう。

 

工事内容については「見積書」に記載されています。

たまに曖昧な見積書を提出する業者もいますのでご注意ください。

 

見積書は具体的に記載されていることが理想です。

コーキング工事でも「窓は増し打ち」、「外壁目地は打ち替え」としっかり書かれていることが大切です。

 

工法の違いで、耐久性や工事費などが異なってきます。

適正に工事をしてもらうためにも、見積書が具体的に書かれているか確認し、希望通りの工事をしてくれるのか慎重に見極めましょう。

 

見積もりについてはこちらの「見落としは大変なことに!外壁塗装の見積もりは細かくチェック!」をご覧ください。

 

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  • 外壁診断士
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  • 安全衛生教育修了
  • 労働安全衛生法による技能講習終了
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