毎年7,000件近く国民生活センターに相談があります
訪問販売によるリフォーム工事
相談件数
出典:独立行政法人国民生活センター ホームページより抜粋
外壁塗装を依頼できる業者はたくさんいます。ハウスメーカーや工務店、塗装専門店など業者形態も様々ですから、どの業者に工事を依頼すればいいか迷われるかと思います。懇意にしている業者がいればいいですが、もし、いない場合は自分で探すしかありません。
外壁塗装にかぎったことではありませんが、お住まいのメンテナンス工事は業者選びが非常に重要です。「外壁塗装・増改築・内装」などのリフォーム工事はみなさんが思っているよりも多くのトラブルが発生しております。国民生活センターには毎年7,000件もの相談が寄せられております。
業者の中には不要な工事を進めてきたり、高額請求してきたりする悪徳業者も存在します。このような業者に工事を依頼してしまわないように、信頼できる業者なのか慎重に選んでいくことが大切です。
Point.1
自社施工かどうかを確認
業者形態には「工事を下請けに任せている業者」と「自社の職人で工事をする業者」の2つの形態があります。おすすめしたいのが「自社施工店」です。
「自社施工店」をおすすめする理由は、お施主様と業者との間で食い違いが起きにくく、スムーズに工事を進められることです。
「工事を下請けに任せている業者」は、営業マンが契約まで担当し、工事は下請けが担当します。これまで打ち合わせしてきた人と違う人が担当することになりますので、結果、言っていた内容と違うといったことが起きやすい構造なのです。
その点、「自社施工店」なら工事の打ち合わせから工事まで担当者が変わりませんので、安心して工事を任せることができます。
また、「自社施工店」はお施主様との間に下請けが入りませんので、中間マージンが発生せず、余計な費用も発生いたしません。
Point.2
職人さんや会社の資格を確認
なぜ外壁塗装はトラブルが多いのかというと、特別な資格や許可を必要としないということが一つの理由に挙げられるかもしれません。塗装は誰でもできてしまうということは、もしかするとみなさんもご存知のことかもしれません。
しかし、塗装工事はそう単純なものではありません。塗装はただ塗料を塗ればいいというものではなく、下地処理や下塗りなど正しい工程で施工しなければ、すぐに塗装は剥がれてしまいます。
しかし、技術に優れている業者か判断するには、実際に工事をしてみなければわからないのが、外壁塗装の難しいところ。これにより塗装業者は悪徳業者と呼ばれる会社が存在してしまっているのです。
ですが、対策はあります。外壁塗装の業者を選ぶ際は、職人さんやその会社の資格を確認しましょう。
一級塗装技能士とは、年に一度実施される難易度の高い国家資格です。一級塗装技能士は実務経験が7年必要でして、実績を積まなければ受験資格を与えられない資格となっております。
ベテランの職人であっても資格取得が難しいとされている一級塗装技能士は、合格率が50%前後です。あくまでも目安となりますが、一級塗装技能士や建設業許可を受けている業者かなどを指標に業者を選ぶと比較的に安心できると思われます。
Point.3
保険加入を確認する
お住まいのメンテナンス工事は多くのお金が発生します。塗装工事では足場を組むため、思わぬ事故のことも想定しなければなりません。足場が家に接触して損傷させてしまったり、塗料の飛散で車や隣接する建物を汚してしまったりなどの事故も起こる可能性があります。
このようなケースに備えて、会社への負担を軽減できる保険があります。当然ですが、損害を与えてしまった場合は、賠償責任が発生します。賠償金は高額な費用を払う可能性があり、これを会社の資金で払うには相当な損失になるでしょう。保険があれば、その万が一に備えることができ、結果的にお客様を守ることにもつながります。保険に加入しているということは、お客様に配慮できている会社であるということですから、より信用度も高いのではないでしょうか。
Point.4
契約書や保証書を確認する
外壁塗装をする際は、見積もりや契約内容の記載に注意しなければなりません。いまだに「一式工事」としか書いていない見積もりも見受けられます。
塗装業界は職人さんが多いため、見積書や契約書などの内容を細かく記載していなかったり、工事保証を記載していない業者が多く存在します。
悪徳業者の場合は、裁判に備えてわざと契約書に細かい内容を記載せず、工事保証もないことが多いです。塗装工事は高額な費用が発生し、工事後の対応も非常に重要です。いくら営業マンが親切丁寧だとしても、見積書や契約書、工事保証書などの大事な書類に関しては細かく確認しましょう。
Point.5
訪問販売業者とは契約しない
「外壁塗装でトラブルにあってしまった」という方は、訪問業者に工事を依頼していることが多いです。すべての訪問業者が悪いというわけではありませんが、多くのトラブルを起こしているという点は見過ごせません。
8日以内であればクーリングオフができますが、業者とのやりとりや余計な時間を奪われてしまうため、契約を急かされても即決しないでください。
こんな営業マンには要注意!!
「今日決めてくれたら、●●円でいいですよ」
こんなフレーズは、買い物シーンではよくある話。これそのものは、悪いことではありません。
安くできてうれしいですし、得した気分にもなりますよね?
リフォーム業者も同じです。各社営業マンが、セールス活動の中でそんなフレーズが飛び出すことは、何も悪いことではないのです。
ただ、気を付けなくてはいけないシチュエーションもあります。
Point.1
飛び込み営業の見積りには要注意
業者の営業方法は様々ですが、その中でも「飛び込み営業の見積もり」には要注意!注意する理由は「営業マンの人件費が含まれているから」です。
塗装工事は「材料費」「施工費」「諸経費」などで構成されますが、飛び込み営業をしている会社は、その中に営業マンの人件費も掛かっています。
飛び込み営業をしている会社が悪いとは言いませんが、従業員を雇っている分だけ人件費は掛かります。その人件費が見積もりに含まれていないということはあり得ないのです。
Point.2
大幅値引きには要注意
お住まいのメンテナンス工事は多くのお金が必要ですから、少しでも安くなるのであれば嬉しいものです。しかし、安さで釣られてしまうのは大きな落とし穴にはまってしまう危険性があります。値引きをするには、ちゃんと根拠があることが大切です。ですから、大幅に値引きをしてきた時は疑わなければいけない注意事項なのです。
なぜなら、値引きをするということは、利益を削るということ。つまり、大幅な値引きをするということは、それだけ利益を多く含んだ見積もりだった……ということなのです。
当然ですが、赤字で工事を引き受ける業者はいません。それでは経営が立ち行かなくなり、倒産してしまうからです。例えば「今日決めていただければ150万円から100万円にします」と言われたら、それはつまり100万円でも利益がでるから提案しているのです。
これははじめから値引きありきの見積もりをお客様にお渡ししているということですから、信用できるかというと少し首を傾げてしまうかもしれません。値引きにもいろいろありますが、値引きをするにはちゃんと根拠があるということを押さえておいてください。
Point.3
即決で考える余地を与えない
悪徳業者の特徴をご存知ですか?それは「契約するように急かしてくる」「不安を煽る」「大幅な値引きをする」「見積書や契約書、工事保証の記載が曖昧」などの特徴があります。もし、考える余地を与えず、契約を急かしてくる業者ならそこに工事を依頼しないようにしましょう。
即決を迫ってくる理由は、考える余地を与えないためです。また、一度契約をしてしまったら、断りたくても断りにくくなってしまいますよね?さらに提案を保留にすると他の業者も間に入ってくるため、成約率が下がってしまいます。ですから、即決を迫ってくるのです。営業マンにも会社や数字のプレッシャーがあったりと、背景はいろいろあるとは思いますが……
一生懸命な営業マンを見ると、つい、いい返事をしたくなるかもしれませんが、毎日住む大切なお住まいです。高額な費用も発生します。このようなことをしっかり考えて、慎重に見極めて頂きたいと思います。
厳しいお話ですが、営業マンがいかに巧みであっても、そこの会社と契約することを決めるのはお客様です。後悔があっては本末転倒ですから、業者選びは注意して行なってください。